雪_______________


















______________________________



「ふ〜今夜は冷えるな〜」

寝る前に最後の執務も終え魔王部屋に入ってきたユーリは部屋の寒さに腕をさすった。
そこにベット中からあきれた声が帰ってくる。
「寝る前にもう一度風呂に入ればいい。」

「う〜ん、夕飯の後に入ったしなー。」

着替えながらヴォルフラムに受け答えしてるとふと窓の外に目がいった。

「あ・・雪だ・・!」

窓の外にはらはらと舞う白いものにユーリは窓に駆け寄った。
おい、見てみろよヴォルフ!と声をかけてくるのにしぶしぶ体を起こすと
ユーリの隣に並ぶ。

「まったく、雪をみてはしゃぐなんてユーリはまだまだ子供だな。」
「埼玉じゃそんなに降らねえもん、あーこれなら明日にはつもるかな?」
「そうだな。・・・だがいいのかユーリいつものトレーニング?とやらに行けないぞ?」
「えーなんで、別に雪ん中だって・・」
「あのギュンターが許すものか、諦めろ。」

う〜と渋った声を出すユーリにクスッと声を漏らす。

「柔軟ならつきやってやってもいいぞ?」
誇らしげに笑う顔にドキッとしながらも、目をそらしながら
「よく言うよ、いつも起こしたって起きないだろ。」
「な・・!起きれる!!ユーリの起こし方が悪いんだ!」

はいはい、と何だか立場が変わったような関係に笑みが漏れ始めると
その可憐な腰を抱き寄せる。

「・・・・ユーリ」

「・・・・いや?」

ヴォルフはまだ俺からの接触に慣れていない。
晴れて恋人同士?になったのはつい最近だけど、真っ赤になりながら俺の腕の中に納まってるヴォルフを見ると心底可愛いと思う。

ゆっくりと首を振って俺の胸に頭を預けたヴォルフをさらに抱き寄せながら

「明日はグレタと一緒に雪合戦もいいな」

「雪合戦? いくさか・・??」

「違うって、ボールくらいの雪をぶつけ合うんだけど、俺あんまやったことないだよね」

もっと積もれば ”かまくら”だって作れるかもしれない。
親子3人で餅を食うのもまた一興。

だけど、今は冷え始めた体を暖めるのが先で・・・。

「さ、もう寝るか。」パッと体を離したユーリはベットの上に胡坐をかいて座ると
ヴォルフーと、両手を開いて婚約者を招いた。

この腕にもう一度ぬくもりが戻ってくるのを祈って。

















ユヴォで初小説でした! どんなに寒くなってもヴォルフという抱き枕があるユーリが羨ましい・・!!

2010.10.29