君が笑うと_______________











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ふう、今日の執務を終え寝室でもある魔王部屋に戻った。

「ユーリ・・!」

俺が入ったとたんにかかる声に自然と口が緩む。

眩しい金髪をなびかせ満面の笑みで飛び込んで来る彼を俺は両手で抱きしめた。

ふわっ。



とたん、伝わる甘い香り。



「もう、今日分は終わったのか?」

「ああ。」

「お疲れ様。ユーリっ」

「ヴォルフも・・。」

互いの頬にキスを落とす。
前なら絶対にできないような行為だけど、俺の腕の中で幸せそうに微笑む彼の姿を見てると
こんなのも悪くないな。って思うようになってからどれくらいたっただろう。





「・・・ユーリ?」

不思議そうな顔をするヴォルフをそっと抱き上げベットに運ぶ。

たったそれだけのことなのに、不満そうに顔を歪めた彼に俺は質問を投げかけた。



「・・?いやだった?」

「・・・そうじゃない・・・ただ悔しい。」

そっとベットに下ろすと、ネグリジェ裾を直しながら唇を尖らせる。

そんなしぐさに可愛いな、と思いつつ蜂蜜色の髪を解いてやった。





『僕もお前を抱え上げられたらいいのに・・』





漏れでた思わぬ言葉に、今度は俺が苦笑いする。



「うーん、それはちょっと;」

遠慮したいかな?

ヴォルフに抱えあげられる俺の姿なんて想像しただけでため息しか漏れない。



「それに、これは俺の筋トレの成果だし。」



そっと肩を押し唇を押し当てる。

そのまま重力にしたがってベットに横になってくれるかと思ったが・・



「・・・そう・・・なの・・か・?」

「え・・?」

あまりにもキラキラとした瞳に見つめられて思わず固まった。



「ユーリがいつも朝コンラートと行ってしまうのは
 僕に・・その・・こうしたかった・・からなのか・・?」



カアアアーー。

と頬を染めながら話す彼は、俺がどんな絵画で見た天使よりよっぽど可愛いと思う。



う〜ん、(ま、半分は野球のためだったけど)

ヴォルフを抱き上げられるくらい鍛えたいし身長も伸ばしたいって思ってたのは事実で。

「嬉しい??」

あまりにも可愛い反応をくれた彼に満面の笑みで聞いてやった。



ヴォルフのことだ。きっとまた可愛い反応を・・



ばっ 

瞬間、ヴォルフは俺の首にきゅって抱きついてきて。



「嬉しいに決まっている!あの頃のお前は僕に
 なんの興味もないと思っていたのに・・そんな頃から思ってくれていたなんて・・・。
 ・・・・僕は幸せ者だ・・・っ。」



頬を染めながら、はにかみながら、ちょっぴり嬉し泣きなのか目尻を赤くしながら

俺にぎゅってしがみついて

時折、俺の名前を「ユーリっユーり・・っ」
って呟きながら抱きついてくる。





(なになになにこの可愛い生き物!!!)



「愛してるぞユーリ」



・・・



うん。



うん。



俺も・・・。





「俺も愛してるよ。」



ずっと、前から君に恋してた。



『君が笑うと俺も嬉しいから』