「君は・・・!!」

森のしげみから現れた人物に村田は目を見張った。

見覚えのある、クリーム色の銀髪。

「・・・・・・・わかる?」

「・・・イェルシー。だね・・?小シマロンサラレギーの弟。
 それに、聖砂国の王子なはずだ。」

それにイェルシーは静かに頷いた。








水中華_______________11






見ていた。ずっと見ていた。



『やめろっ!!お前達なぜこんなことをするんだ!?
 アイツの言うことなど何故聞く・・!?
 死ぬだけだとまだ分からないのか・・!?』

必死に叫んで敵であるはずの兵達を止めようと叫んでる魔族を。



『こんなことをして何になる・・!?
 箱を開いたって何も変わらない!むしろ世界が国が壊れるだけなんだぞ!』



もはや、その髪が眩しいほどの綺麗な蜂蜜色をしていることなど分からないくらい
自分も焼け焦げ灰で煤汚れているというのに・・。

『お前達家族はどうした!?親兄弟いるはずだろう?
 なら簡単に死んだりするな!命を粗末にするなっ!!』

なぜあんなに必死に・・?

他人のはずだろう・・・?

むしろ憎むべき自分を捕らえた敵軍であるはずなのに・・。



そのあと兄上に対面し、正式に彼の前に通されると、術を施してる時に覗いた。

正確には透き通るかのように伝わってきた。彼の心の中を。

(ユーリ・・・・きっとユーリも全力で止めるはずだ。こんなこと放っておくはずがない
 こんな・・簡単に死にいく彼らを。

 ユーリ、ユーリ・・・・っ

 無力な自分が悔しかった。止められない、何もできない自分自身が。

 ああ、ユーリ、今お前に会えたらどれほど心強いだろう。
 折れそうな自分の心に、大好きなお前に会えたら、その綺麗な瞳で見つめられたら・・・

 会いたい・・・・会いたい・・・ユーリ・・っ。)



会ってみたかった、彼がこれほどまでに、恋焦がれる人物を・・。







「たすけて・・。」

「・・え・・・?」

「助けてくれたら・・彼の呪は解いてあげる・・。から・。」

「では、君が彼に・・・。」

コク・・・。

「しかし・・何故・・・。ここまで一人で来たのかい?君は一国の王子だろう?護衛は・・?」

その問いにはゆっくりと首を振られた。

「・・・、分かった、話は渋谷達と混ざって聞かせてもらう。
 けど、もし君が僕たちと一緒にいるのを小シマロンに知られてしまうのはまずいんじゃ・・。」

そう言ったところで彼が右手をパッと上に掲げた。
その瞬間ふわっと風が通ったかと思い、思わず目を閉じると、何かに包まれたような不思議な感じ。

これは・・・。

「・・・もしかして、結界?」

コク。

「君は、何でもできるんだな・・・。」

会ってから初めて漏れた笑みに、相手の少年もふわっと微笑んだような気がした。





「村田・・・!そいつ・・!」

渋谷は僕とともに現れた人物に心底驚いたようで、さっと距離を取る。
自然と婚約者を背に腕で隠そうとする。


よほど彼が心配なようだ。



「大丈夫、僕達の敵ではない、よ・・。」

・・・・たぶん・・・ね。それに続きそうだった言葉は飲み込んだ。

あまりにも真剣な瞳だったから。

さっき交わしたことに、きっと嘘、偽りはない。

今まで生きてきた、携えてきた記憶のおかげで、人が嘘をついてるか否かは分かる。



「フォンビーレフェルト卿に呪を施したのは、彼だ。」

「な・・・!」

「呪は彼になら解くことができるだろう。」

「けど・・・なんで・・・。だってそいつ・・!」

いつもの渋谷なら、すぐにでも相手を信じただろう。
けどやはり彼を一度失いそうになった恐怖は消えていないようだった。

「陛下、簡単に信用してはなりません、何を企んでいることか・・。」

ギュンターが割ってはいる。

「あ、ああ・・・。けど、なんでいきなり・・?解いてくれるのか・・?それで君になんの得が・・。」



「助けて欲しいの・・。兄上と_______母上を。」







「・・・・・。そんなことが・・。」

目の前の少年の表情に感情は読み取れない、けど何故か泣き出しそうだ。とユーリは思った。

コク・・。

静かにうなずく彼に近づく。



「・・・っ・・ユーリっ!」

ヴォルフと繋いでいた手を安心させるようにきゅっと握ってから放した。

まだいきなりヴォルフに近づけるのは怖かったから。

「分かった、・・・けどどうして俺達に・・?」

膝を少し曲げ相手と視線を合わせる。

イェルシーがすっと手を伸ばす。ユーリの頭に両手を添えた。

ヨザックやギュンターがとっさに向かって来そうになったが、それも一瞬だった。

添えられた手から伝わる。

コレは・・?映像・・・?

頭の中に直接流れてくるそれはきっと彼の記憶。

暗い闇の中、いつもより輝きを失ったとしてもそれが自分には誰かすぐ、分かった。

ヴォルフだ・・!

『やめろっ!!お前達なぜこんなことをするんだ!?』

なんだこの光景は・・?

腕を取られ、箱に近づけられていく。

腕を支えていた兵たちが燃える、・・・・死・・・・。



『やめろ・・・ヤメロ・・・ッッ!!!!!!』



「・・・っ・・。」

あまりの光景に吐き気がする。

目の前で人が燃えてく。

こんな状況の最中に彼はずっといたというのだろうか・・。



『〜〜〜!!・・・・!!』

映像の中の彼は必死に叫んでいた。


止めようと、これ以上無駄な死をさせまいと・・。

自分が殺されそうだというのに・・っ

最後は倒れてるヴォルフとサラの姿。

(ユーリ、会いたい・・・ユーリ・・・ユーリ・・っ!!)

聞こえた、彼の心の声。

「・・・っヴォル・・フっ・・。」

そこで映像は途切れた。

ふらつきそうになる身体を近づいて来たヴォルフが必死に支える。

「ユーリ・・!!・・っ貴様・・!ユーリに何を・・!?」



今にも食って掛かりそうな彼をそっと、引寄せ抱きしめた。



「・・っ・・ゆーり・・?」

ああ、本当に無くすとこだった。



こんなにも愛おしくて、大切な存在を・・。



「おい・・・どうし・・?」

腕の中の温もりに心底安心する。



「あの子は・・・お前に感化されたんだよ・・。」





***************





「イェルシー貴様・・!!」



「・・・・。」

サラレギーが村田の後ろから出てきたイェルシーを睨みつける。
手を強く握り締め怒りのためか僅かに腕が震えている。

予想もしていなかったのだろう、弟に裏切られるなど・・。



「サラ、お前は何を考えている?お前の望みはなんだ!言ってみろ。俺がその夢叶えてやる。」

「ははっ・・・望みだと・・?そんなもの箱さえ開けば」

「そんなことない!お前の望みは箱なんかじゃないはずだ!
 本当は母親とイェルシーと一緒に暮らしたかったんだろ!?」

「おまえ・・っそこまで・・っ!!」

「イェルシーは関係ない。お前と母親のことを思って俺たちに頼んできたんだ。
 お前のやり方は間違ってるってな・・・!!!」





「もう、いい・・・・ユーリ・・。」





ボソボソと語りだす。

失望した。けど何に・・?
私は何に期待していた?
いや、何も。こうなることだって想像できたはずだ。
そうだ、これもきっと自然なことだ。
結局は信じられるのは自分しかいない。

「皆、死ねばいい。」





バンッッ!!



その時巨大な何かが破裂する音ともに回りの壁が爆破され一面真っ白な煙に包まれた。



「陛下・・・!!」「ユーリっ・・!!」



途端に後ろから上がる悲鳴。

「な・・・・!!」

振り向いて確認してみれば、こちらの兵たちが小シマロンの兵たちに切りつけられる光景。

「な、なんで・・!!」

「イェルシー・・!?どうしっ」

見ればイェルシーの顔は真っ青だ。
左腕を押さえつけ倒れこむのを近くにいた、村田が抱きとめる。



「これは・・・!!」

イェルシーの左腕に付けた腕輪が強く光を発しているではないか。

それはまるでイェルシーから力を奪い取るかのように光を増していく。

これは以前サラレギーから渡された物だった。

あの魔族にかけた術をかけたお礼に。と・・。

初めての兄からのプレゼントにどれほど嬉しさが募ったか・・。

「くっ・・・陛下・・・!!」

ガンっと目の前で剣と剣が激しくぶつかる音。



戦闘が、始まった。







やめろ・・・ヤメロっっ・・・!!

目のまで次々と兵が倒れてく。



こんな光景、見たくない見たくない・・!



「ユーリッ!」

「・・・・ヴォルフ・・。」

今にもサラレギーの元に駆け出そうとする俺の手をヴォルフが必死に掴んで引き止める。

「ダメだ!行くな・・!!」

ダメだ行くな行くな行くな。

お前が行って何になる!?

行くな

嫌だ。

嫌だユーリ行って欲しくない。

行くな行くな・・・!!

「ヴォルフ・・お前はここに残って、村田達と一緒に。」

「・・・っユーリ!!」

腕を強く振り切って俺はサラレギーの元へ走った。

この元凶を止めなければきっと戦闘は止まらないから。

「ダメです!閣下!」

「・・・っ嫌だっ!放せっユーリがユーリが!!」

ヨザックが今にも追いかけて行きそうなヴォルフラムを羽交い絞めする。

「閣下が行ったら陛下も、ここにいる皆が焼死するんですよ・・!!」

「・・・っ・・。」

それはきっと言ってはならなかった言葉だった。

けど今は止めるためにはそれしかなくて・・。





「サラ・・・!!いい加減にしろっっ・・・!!」

煙を抜け上手く兵たちの間もすり抜けたユーリはそのままサラに飛び掛る。
胸倉を掴んで床に押し倒した。

「おまえ・・!いつまでこんなことするつもりだ!?いますぐ兵たちを止めさせろ!!」

「・・・いつまで・・?」

サラレギーは倒された状態でククッと笑う。

「さあ、箱が開くまでじゃないかな・・?」

「お前・・っ!!」

「止めたければ、私を殺すかい・・?」

見開かれた両目が揺らぐ。ああ、可哀相にユーリ。
「きっと君は人殺しなんてしたことないんだろうね。」

「当たり前だっっ!!」

なら、仕方がない。
もはや、死以外に自分を止める術など知らないのだから。

「ならば、ここで婚約者が死ぬのを一緒に眺めてるしかない。」



「・・・っ!!お前・・どこまで・・!」

「ああ、ほら今にも箱に連れてかれそうだよ。」

サラは倒れたまま視線をヴォルフ達のいる方向へ移す。
そこには途中に置いてある箱とその先は煙でいまだに見えなかった。

「・・・っヴォルフ・・!」





一瞬、ほんとにその一瞬だけ、気がそがれた。

ヴォルフ達の方に視線を移した、その瞬間に。

サラの胸倉を掴んでいた腕を強烈な切っ先で切り裂かれる痛み。

「うッああああァァアアーーーっっ!!!!!!!」







煙が晴れだした。

やっとやっと!ユーリの姿が見れる!

けど・・っその後に聞こえてきたのは強烈な叫び声。

「うッああああァァアアーーーっっ!!!!!!!」

!!!!!???_!!!!

「ユーリ・・!?ユーーーリイイイ!!」

突如聞こえてきた叫び声に背筋が凍った。
紛れもなくユーリの声だったから。

「くっ・・行ってはダメだ・・フォンビーレフェルト卿!!
 創主は絶対に・・箱は・・!!」

「ユーリ!ユーリッユーリ!ユーーリィっ!!!」

頼みのヨザックやギュンターも多くの兵たちの相手でとても動ける状態ではなかった。







「サラ・・お前・・!」

「形勢逆転だねえ。ユーリ。」

しゃがみ込み、切られた左腕を右手で抑えながら相手を見上げる。

腕はドクドクと脈打ち血液が流れ出していた。



「痛い?可哀相なユーリ婚約者が鍵なんかでなければ、
 君もこんな目にあわずにすんだものを・・。」

分かった分かったんだ。
もう

ずっと探し求めたもの…

恐らく、ずっと探し求めた鍵の"部位"は、身体の内部。

腕や眼球でもないのなら、彼の身体の中に隠されているのだろう。

なら、話は早い。

「鍵自ら箱に入ってもらえば、きっと箱は開く。
 そのためにはどうしても、重要な人質が必要だった。」

そう・・・。

鍵が、鍵が自らの命を捧げてもいいほどの厭わない相手



「君だよ。ユーリ。」



「くっ・・・!!」 ダメだ、このまま彼の手に捕まっては、恐らくヴォルフラムが鍵として使われてしまう。

それだけは避けなければ・・・!





「ユーリ!!」

「来るな・・!!ヴォルフラム!!」

聞こえてきた声にそれ以上の大きな声で制する。

正直、無事そうな声に安心する。

「う・・ぐっ・・・。」

襟足を捕まれ無理やり立たされ腕は背中に一まとめに固定された。

「さあ、来るんだ。ユーリ。」

何か・・何か策があるはずだ・・!何か・・!

考えろ・・・!きっと何か・・!!



1歩2歩、箱に近づく。



キラっと煙の向こうに何かが光った。

その後に聞こえて来た声。

「・・・渋谷・・!!」

村田・・・!!

晴れ始めた煙の向こうにかすかに見える妙な光。

イェルシー。

顔は相変わらず青白かったが、どうやら自力で左腕のリングを外したようだ。

「大丈夫ぶかい?」

「・・・。はぁ、はぁ。」

村田が気遣うように背中を撫で、イェルシーはそれにコクと頷くと目を閉じ再び術に集中する。



「・・・ちっ・・。」

後ろでサラが舌打ちしたのが分かる。

イェルシーの術が再び掛けられたのだ。襲ってきていた兵たちは今度こそ意識を失い床に倒れた。



「お前の、負けだ・・。サラ。」

「ククっ・・・ハハッ・・!!まだ・・・まだだっ!!」

「ぐっ・・・!」

近づいた箱に仰向けに押し付けられる。首を強くつかまれ息が詰まった。

「お前が私の手の中にある以上状況は変わらない!さあ来い!!鍵よ・・!
 ユーリを殺されたくなければ大人しく・・」

「ヤメロ・・ッ!!ユーリに手を出すな!!」

「だ、めだ・・ヴォルフ・・来る・・なっ・・。」

まるで首を締め付けて殺すかのように掴んでくる腕に必死に右腕を伸ばす。
刺された左腕はもう感覚すらなくだらりと垂れた。



その時だ。俺の腕から垂れた血液が箱に触れた。

じゅわっ



箱は血を飲み込むかのように血液を蒸発させた。



「「う・・あ、あ、あああああああああああっっっ!!!」」



途端、あがる悲鳴。 箱の近くにいた数名の兵士達が一斉に燃え出した。



「「う・・あ、ああああっっっ!!!」」



「な、なにが・・・。」



なにが起こってるっていうんだ・・。この状況は・・・。

ヴォルフラムはさっきの位置から移動してはいない。
今にも駆け寄ってきそうなくらいだったが取り押さえられ彼も唖然と
この光景をみていた。



兵たちが動き、のたうち打ちまわり、焼け焦げていく。



「や・・・めろ・・・っ・・・やめろ・・・。」



イェルシー達の映像で見せられたものより、生で見る光景は辛かった。

必死にもがき火から逃れようとする者。

腕を伸ばし助けを求める者。

死にたくない、助けてくれ。苦しい苦しい焼ける燃える・・・。

「ヤメローーーーーッッ!!!!」

俺にある魔力よ、少しでも・・・。ほんの少しでも・・。

俺に魔力が残っているのなら今すぐにでも寄せ集めて、水を引寄せ
彼らにかけて欲しかった。あの火を消してほしかった。

殺したくない、殺したくない。見殺しになんて・・できるか・・!!

「放せっ・・・!!おいっ・・!!サラ・・!!放せよっっ!!」

全身の力を振り絞って起き上がろうと身をひねる。

右腕は常にサラの手に食い込みそうなほど強く掴んでいるというのに・・!

「フフ・・っ・・。ははっ・・まさか・・・そうか・・・!ユーリっお前も・・!」

「何言ってんだ!!放せ!!お前こいつら見殺しにするつもりか!!
 助けろよ!!お前の部下だろ!!そんな簡単に捨てていい命なんてあるもんかっ!!
 なんで・・なんで・・っ!!動かねえんだよ!?どけよ・・・!
 なんで・・・魔力だって使えないんだよ・・・!!集まらねえんだよ!?
 助けなきゃ・・!死にたくないって苦しいってこいつら言ってるじゃねえか!!」



「安心、しなよ。ユーリ・・・。君も今すぐあっちに行けるから。」

「な、に言って・・。」

「まだ、気づいていないのかい?」

あの血液が触れた瞬間の箱の動き。
恐らく本物の鍵ではなくてもユーリは・・・・鍵。

そして、きっとその媒介は血液・・。

「本物でなくても大量の”鍵”を浴びせれば開くかもしれない。」

「なに、が・・。」

一滴であれだけの効力。では大量の血液を浴びせれば・・?

「フフッ今こそ・・・あの女に知らしめる好機!」





『ねえお母様、あの箱の中には何が入ってるの?』

『あの中には希望よ。そうこの国を・・・私達を
 ・・もっと幸せにしてくれる。奇跡の箱なのよ。』





「あの女に教えてやる・・!!お前の求めてた奇跡の箱はなんの幸福も与えない
 絶望の箱だとな・・・!!!」

「おまえ・・まさか・・そんなことのために・・っ」

ああ、ユーリ。できれば君は殺したくなかったのだけれど。 これももう仕方がない。





サラの短剣を持った右腕が引き上げられた。





「恨むなら、こんな運命を定めだ眞王とやらを恨むのだな・・!」





腕が力強く振り下ろされた。





『・・・これからも、そうやって叶えてこうな。』

『これからも・・?』

『ああ、俺と一緒に。ヴォルフと一緒に。』



『ユーリと一緒に・・?』



『ああ、ずっと一緒にいような。』



その後貰った笑みは本当に天使のようにキラキラしてた。





ザシュッ・・・。





「・・・・・・っ・・・。」





サラに短剣を振り下ろされる瞬間、目の前に割って入る姿が見えた。





嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ・・。

あまりのことに瞬きをすることなんて一切忘れた。





流れる金髪。





俺を背に





振り返ったその顔には





見覚えのある天使の顔。





その顔にはそっと笑みをのせて・・。





うそだ・・・・。





なんで・・・・なんでこんなことに・・・。





いやだ・・・。





いやだ・・・・・。





手放したくない。





お前を失いたくなんてない・・・。





ずっと一緒にいてほしいって。





一緒にいるって約束したじゃないか。





「・・・・っ・・・!!・・・・う・・・くっ・・・ヴォルフラムーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!!!!!!」





 陶土の劫火は開かれた。





『ユーリと一緒に・・?』





『ああ、ずっと一緒にいような。』










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